浸透圧

今年も花粉症の季節がやってきました。
昨年に比べれば随分と症状は軽いですが、今年も私は新しい対策を導入しました。
「鼻うがい」です。方法は、

  1. ぬるま湯に塩をいれ、
  2. マグカップ等口広の入れ物にいれ、
  3. 下を向いて鼻を突込み、
  4. ちゅーと吸い込み(鼻腔内に液が満たされていきます)、
  5. 口から出す

というものです。
最初はやり方を良く調べずに、水を頭を立てた状態で吸い込んでしまい、床をのたうって苦しむはめになりました(どう苦しいかって?やってみれば分かります)。
しかし、その後の爽快感は表現し難いほどで、未来がばら色に見えてきます。
花粉症の方にお勧めします。

新世界は死の世界だな

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
新しい本が売れてるらしいジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」を読みました。いままで僕が知らなかった事実が満載の本で大変楽しかったです。書きぶりが、自然科学者(生物学が専門)らしい書き方で論理を追いやすく、僕には読みやすかったです(この手の本に詩情を求める人には物足りないかもね)。個別の事項の具体的検証が緻密でいて、かつ書き方が平易なのでやたらと賢くなった気分になります。話変わって、スペイン人の新世界での殺戮話には腹が立ちましたが、しかし真に怖かったのはそれに先立つ天然痘やらの疫病の猖獗です。もうヨーロッパ人が新大陸に来ちゃった段階で、きゃつらに征服する意思があろうがなかろうがもう無茶苦茶になってしまう必然があったわけです。ひるがえって日本列島は人類史全体的に見ても例外的に平穏な場所だったんですね。人類愛に目覚めよう。

暗闇でスキャン

スキャナー・ダークリー (ハヤカワ文庫SF)
浅倉訳読み中(映画かあ。また期待を裏切らずに期待を裏切ってくれるんだろうなあ)。山形訳と読み比べてないですが、浅倉さん本人があとがきで書くように今更感でいっぱいの海。しかしディックの翻訳についてすごい噂がありますが、どうなっていくんでしょうか。僕は創元の分は全部持ってるからいいですけど。以下まじめですが、今回読んでいて思うのは、へぼい人間への共感は、自分のへぼさ、弱さの理解が深くなるほど、大きくなるということです。ディックは、自分がへぼいのと同時に、どはずれて自分のへぼさが分かっていたために、偉大な作家となりえたということ。