新世界は死の世界だな

銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎
新しい本が売れてるらしいジャレド・ダイアモンド「銃・病原菌・鉄」を読みました。いままで僕が知らなかった事実が満載の本で大変楽しかったです。書きぶりが、自然科学者(生物学が専門)らしい書き方で論理を追いやすく、僕には読みやすかったです(この手の本に詩情を求める人には物足りないかもね)。個別の事項の具体的検証が緻密でいて、かつ書き方が平易なのでやたらと賢くなった気分になります。話変わって、スペイン人の新世界での殺戮話には腹が立ちましたが、しかし真に怖かったのはそれに先立つ天然痘やらの疫病の猖獗です。もうヨーロッパ人が新大陸に来ちゃった段階で、きゃつらに征服する意思があろうがなかろうがもう無茶苦茶になってしまう必然があったわけです。ひるがえって日本列島は人類史全体的に見ても例外的に平穏な場所だったんですね。人類愛に目覚めよう。