温い道

ホットロード 1 (集英社文庫―コミック版)
なんだこれは。初めて読んだが、この漫画は異様だと思った。こんな同じような顔のアップが続く漫画は、おかいしいではないか。全編高熱に浮かされたかのような物語は、やばいではないか。俺は少女漫画は詳しくないが、これはジャンルとかスタイルどうこういうそれ以前の、作者実存に関わる問題で、ある種の狂気を感ぜずにいられない。しかし、俺も当時中学生とかで、ヤンキーではなかったにせよ、主人公達のようなまったく見当違いの過剰な自意識のせいで見境ない状態になっていることが、めちゃくちゃに美しいと感じる感覚をおそらく共有出来たと思う。10代後半における極限極度の純粋さ崇拝の単結晶だなこれは。なんか貶しているようだが、とにかく超ド級の作品だということは俺にも分かった。だが、しかし、この漫画が、"のだめ"と同じくらい当時売れまくったという事実は、これまた異常としかいいようがないと思う。