円弧をすべり降りて

Xのアーチ
なんともとぼけたタイミングだが、スティーブ・エリクソン"Xのアーチ" を読んだ(4ヶ月くらいかかりましたが)。不穏さ、淫らさ、物語のテーマ(愛、とかアメリカ、とか)に関するイメージのベラボーさに大変強い感銘を受けた。アメリカに行って帰ってきたばっかのせいかも知れないが、寓話性が強いのに、物語の世界がアメリカ的普通の生活(および歴史)と完全に地続きになっていると感じた。こういったところは国は違うが、残雪の一連の作品に漂う強烈な不穏さと底が通じているような気がする。人倫から離れていく感じとか。